米GDPがマイナス32.9%と統計開始以来最悪の水準でも個人投資家は怖がる必要はない
しげるです。
アメリカ商務省の7/30の発表によると4月から6月までのGDP=国内総生産の伸び率は、年率に換算した実質で、前の3か月に比べてマイナス32.9%となりました。

これは四半期の統計を取り始めた第2次世界大戦後の1947年以降、最悪の水準で、新型コロナウイルスがアメリカ経済に極めて大きな打撃を与えたことが示されました。
2008年のリーマンショックで最悪の3か月間だったマイナス8.4%を大幅に下回り、
項目別に見ると、GDPのおよそ7割を占める個人消費はマイナス34.6%、企業の設備投資はマイナス27%、それに輸出はマイナス64.1%と、軒並み大幅な悪化となりました。
アメリカでは新型ウイルスの感染拡大に今も歯止めがかからず、失業率も10%以上で高止まりしていて、トランプ政権が目指す景気の回復に向けた追加の経済対策に関心が高まっています。
GDPとは
そもそも基本中の基本ですが、GDPとは「Gross Domestic Product」の頭文字略で、「国内総生産」と訳します。
このGDP数字が何を意味するかというと、「民間の消費と投資+政府支出+貿易収支によって、国が1年間にどれだけ儲けたか」ということです。
この実質GDPが前述の通り年換算で前四半期のマイナス32.9%ということは、アメリカの年間の儲けのうち3分の1が無くなることが今の時点で予想されているわけです。
これは米国だけではなく世界中に衝撃が走ってもおかしくないですね。
日本でも米国のGDPの下げ幅は大きく報道されました。
ちなみに日本の第二四半期のGDPの年見通しの発表は8月とされておりますので、目を覆うような数字が出てくるのは間違いありません。
しかし、GDPは成長率のプラスマイナスや実額の増減だけで判断するのではなく、実質所得の伸びや物価上昇率を含めて複合的に観察する必要があるためマイナスが大きいからと言って、それだけで米経済を悲観的に見るのは早計かと思います。
米経済の今後の見通し
今後の米経済の見通しは、新型コロナウイルスの感染機器の収束が遅れていることもありV字回復のような青写真は見込めない状況です。
ただし、7月後半から米国の新型コロナの新規感染者数が緩やかに減少し始めている兆候も見られています。

そのため、新規感染者数の減少傾向が今後も続けば、鈍化していた個人消費や労働市場、企業の設備投資も再び持ち直すことが期待できます。
一方、株式市場においては、S&P500種指数のグラフを見てみると、コロナショック後から大きく反発し、+50%近く回復しています。

これは、FRBによるゼロ金利政策や無制限の量的緩和策などの金融政策が効いているためで、実態経済とは些かかけ離れたものになっています。
また、S&P500を構成する企業のうち、ハイテクセクターであるFAAMG(フェイスブック、アマゾン、アップル、マイクロソフト、グーグル)銘柄が、業績を伸ばしており、それに引っ張られる形でS&P500種指数も伸びていると言えます。
これは企業や個人がオンライン作業へ移行したことにより、それに付帯するサービスが大幅に売れたことが要因であると考えられます。
つまり、このコロナ禍において、勝ち組企業と言えるでしょう。
個人投資家はどう立ち向かえばいいのか
株式市場においては、コロナ禍で暴落した銘柄に仕込んだ人たちは儲けを出し、二番底を期待する人は機会損失を被るという両極端な状況です。
コロナに限らず、生きていれば何回もこういった歴史的イベントに出くわすことは間違いなく、そのたびに株の暴落を恐れて株式市場に参入することを躊躇していたら自分の未来は何も変わりません。
また、FAAMG銘柄のようなこのコロナ禍で大幅に続伸した企業に投資することは、割高の銘柄に手を出して結果的にパフォーマンスを悪化させることにつながります。
未来を正確に見通し、暴落を回避することなど誰にもできないことを考えると、個人投資家がとるべき行動は下記の二つです。
・現金をリスク資産である株式に振り分ける
・暴落に耐えられるポートフォリオをデザインする(ディフェンシブ銘柄、連続増配銘柄等)
暴落に耐えられるポートフォリオとは、言い換えれば「値下がりしても動じない、むしろ嬉しいと思える銘柄」であり、値下がりしたときにむしろ大きく買い増すことができ、強気相場が到来した時に大きく資産を増やすことが可能となります。
したがって、個人投資家は歴史的な暴落に立ち会ったからといって過度に悲観的になる必要はなく、割安な一握りの優良銘柄に投資をし、次の強気相場に備えて淡々と買い増していけばよいということになります。
それが長期的な観点では資産の最大化につながるということを信じ、行動に移すことが大切です。
それでは。

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茂(しげる)

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