成長株投資(グロース株投資)の罠

しげるです。

個別株に投資する際、2つの手法があります。

一つ目は、将来の株価の成長が見込まれる銘柄に投資し、キャピタルゲインを狙いにいく成長株投資(グロース株投資)。

二つ目は、ある企業に対し、市場の評価が割安だと考えた場合に投資し、インカムゲインを狙いにいく割安株投資(バリュー株投資)。

どちらも一長一短はありますが、今回はグロース株投資について解説していきます。

結果論に惑わされるな

しばしば「成長銘柄を長期に持つべきだ」と主張する人がいます。

例えば、アマゾン・ドットコム(AMZN)は2001年時点では1株5ドルだったのが、2020年現在では1株2900ドル以上となっており、なんと600倍近くもの株価成長をしたことになっています。

「こうした株に長期に投資をしていればキャピタルゲインの恩恵があるのだから、成長銘柄を見つけて長期に持つべきだ、そのための企業分析をしっかりやろう」というのが彼らの主張です。

これは確かに「事後的に見た時には」正しいのですが、実際に投資をしているときに投資対象の会社の利益が今後も成長し続けるのかどうかを「事前に」判断することは容易ではありません。

世界に類を見ない画期的な商品やシステムを開発したことを事前に知っていて、かつ、それが世の中に受け入れられるということまで事前に予知することができる人など、内部の人間以外でどれだけいるでしょうか。インサイダーor神のみぞ知るってところじゃないでしょうか。

また、仮に利益が成長することが相当程度確実だとしても、これが市場参加者の大多数に知られている場合、将来の成長を織り込んで非常に高い株価で取引されているはずなので、市場参加者の予想通りの利益が将来実現しても、普通のリターンしか実現しないことが多いです。

つまり、市場は誰にも出し抜けないということであり、「成長株の長期投資がよい」というのは事後的に見た場合にだけ言える結果論かつ理想論であるということです。

いつもドラマチックな展開が起きるわけではない

結果論の他にも気を付けたほうがいいいのは、成長株が他の銘柄よりも高いリターンを上げるのは、主として市場参加者の予想を上回る利益成長が示唆されたときに株価が上昇するからであって、「予想を上回る新しい状況(情報)の登場」があった場合だということです。

これは相当ドラマチックな展開です。

インターネットが発達した現代において、企業側から出される情報は、瞬時に世界中に駆け巡りますので、プロの機関投資家であろうが、個人投資家であろうが、情報の取得にはそこまでの差がありません。これは情報の非対称性または優位性がなくなってきているということになりますが、そうなると他人との差が生まれず、結果的に割高になった株を買うことになるので、成長株の恩恵を受けるのは難しいのです。

テレビドラマや映画のように、誰も知らない企業の内部情報をあなただけが手に入れる、なんてことはまずありえないのです。

例外としては、今回のコロナショックのように誰にも予見できないことが起きた時に、「たまたま」保有していた銘柄のビジネスモデルが煽りを受けず、もしくはコロナ禍においても有効な商品・サービスだった場合に株価が吊り上り「たまたま」キャピタルゲインを手にすることができたということはあり得ます。

しかし、いつ起きるか分からないその「たまたま」を狙って、星の数ほどある企業から成長株投資をするのは、しげるは現実的ではないと思っております。

それでも成長株を買いたいあなたへの注意点

それでも、アマゾンやアップルのように劇的に成長する銘柄ではなくても、2倍、3倍に株価が成長する可能性がある銘柄だってたくさんあるわけで、その可能性を信じて株式投資するのも悪くないことだと思います。
「ワクワクするような会社に投資したい」という気持ちは分かりますし、これは好みの問題でもありますので、他人がとやかく言うことではないので。

ただし、こうしたケースでは利益自体の変化が大きいことも多く、また、過去数年の利益成長率が高かった銘柄は、人気を集めて利益に対して割高に買われていることが多く、1銘柄として見た時にリスクが大きいことが多いので注意が必要です。

もちろん分散投資を行うことでリスクの大きさは分散できますが、個人の運用の場合、それほど多くの銘柄に分散投資できないことも確かですので、S&P500ETFと組み合わせるなど、ポートフォリオにおけるグロース株の組み入れ比率が高くなりすぎないよう気を付けたほうがいいです。

いずれにせよ、「株式投資は成長株を買って、じっと持っていればいいのだから簡単だ」なんて言ってあなたに投資を勧めてくる輩は、無責任極まりない人なので今後近づくのはやめたほうがいいです。

それでは。

ブログランキング・にほんブログ村へ

応援クリックお願いします!

人気ブログランキングの「金融・保険業部門」で1位になりました!ありがとうございます。

The following two tabs change content below.
茂(しげる)

茂(しげる)

1980年代生まれの30代サラリーマン。 普段は部下を率いて会社で真面目に働いてます。 でも隙あらばブログ記事書いてます。 米国株式投資、住宅取得、家計、ブログ運営を通じた資産形成について発信しています。 目標は金融資産1億円で、配当をはじめとした不労所得で生活することです。